「一人旅って、寂しいだけじゃない？」

あなたは一人旅が好きでも、心のどこかでこんなことを感じていませんか？

実は、一人旅はいつも楽しいものではありません。

特に、異国の地で一人きりになった時、言葉の壁や文化の違いに直面すると、孤独感が押し寄せることもあります。

しかし、「孤独」は一人旅に要らないものでは決してなく、

むしろ最高の経験値なのです。

この記事では、一人旅で感じる「寂しさ」に焦点を当て、

孤独をむしろ楽しみ、孤独を人生の相棒にするような、その方法と心の持ちようを、

自身の経験と調査研究に基づいて解説して行きたいと思います。

この記事を読み終える頃、あなたは一人旅の「孤独」に対するネガティブなイメージを払拭し、

「寂しさ」を力に変えて旅に出発する準備ができているはずです。

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一人旅を「寂しい」と感じる理由とは？

まず最初に、なぜ一人旅は寂しいと、人は感じるのでしょう？

それには理由があり、自分と社会との人間関係に関係しています。

一人旅を始めとしたソロ活動が孤独を深めがちな理由

私たちは人間関係の中で生きており、「社会的なつながり」は心身の健康を維持するために不可欠です。

最新の心理学の研究では、社会的に孤立することは、喫煙や肥満に匹敵するほど健康に悪影響を及ぼす可能性があることが示されています。

Actual and perceived social isolation are both associated with increased risk for early mortality. 

Loneliness and Social Isolation as Risk Factors for Mortality: A Meta-Analytic Review

一人旅の場合は、普段の人間関係から突然離れ、さらに異文化という日常とは異なる環境に身をおくことで、

「所属感の喪失」や「アイデンティティーの喪失」が生じやすくなります。

最近では「ソロ」で何かを行うことが流行っていますが、この点を理解しておかないと、理由がわからず孤独を深めることになります。

1. 所属感の喪失

普段私たちは家族、友人、職場など、様々なコミュニティに所属して初めて、その中で自分の役割や居場所を認識しています。

しかし、一人旅に出て、これらのコミュニティから一時的に離れることで、

「自分がどこにも属していない」という感覚に陥ることで、孤独感を感じ易くなるというわけです。

特に、異文化圏の海外一人旅の場合は、その傾向は強く、

言葉や習慣の違いから、地元の人々とのコミュニケーションが難しいために、疎外感や孤独感を強く感じることもあります。

2. アイデンティティの喪失

「自分という人間はどういうものか」という自分私の認識を周囲が形作り、

そしてそれを、人や社会が共有することで初めて、自分という存在が価値を持ちます。

「自分はこういう人間だ」という認識は、理解してくれる社会や人があって初めて成り立ち、

人がいなければ、「自分はこういう人間だ」という認識は成り立たないのです。

一人旅に出ると、そうした自分の価値を認めてくれる存在はもちろん無く、アイデンティティが揺らぐことがしばしばあります。

また一人旅では、日常的な人間関係から離れ、おのずと自分自身と向き合う時間が増えるため、

「自分は何者？」という、根源的な疑問に問いに向き合わざるを得なくなることがあります。

特に、人生の転換期、不安な時期、人生の岐路という精神的に不安定な時期にいる場合、

一人旅は自己探求の良い機会となる一方で、「将来への不安」や「自己喪失感」強くする可能性も孕んでいます。

3. SNSが生み出す孤独

SNSの普及も、一人旅の孤独感強くする要因の一つです。

私たちは、SNSを通じて世界中の人と繋がる一方で、

他人が楽しそうに旅行している投稿を目にすることで、

相対的に自分の孤独感を強く感じてしまうことがあります。

また、自分を「この人より価値のない人間」だと思ってしまうことも良くあります。

これについては、こちらの🔗一人旅する女性は痛い？旅女性に抱くイメージ特集 思いつき旅行の仕方

で、更に解説しています。

今までは「誰か」がいたために自分があった、という事実を知る

「自分という人間はどういう人か？」「自分は何者？」という疑問に対する答えは、自分だけでは出せません。

「誰か」が自分を定義してくれて初めて、「自分はこういう人間」という認識が生まれるのです。

例えば、「自分は優しい」と思っていても、それは周囲が居なければ成り立ちませんね。

一人旅で感じる「寂しさ」というのは、今までいかに自分が周囲に自分の価値判断をしてもらい、

周囲に寄りかかって生きてきたかがわかる、ある種の証でもあるのです。

「寄りかかって歩くのではなく、なるべく自分の足で歩いていきたい」という人のために、一人旅はうってつけです。

この後の項目では、寂しさを感じることなく一人旅を楽しみたい方に、その方法を解説します。

一人旅の寂しさや孤独感を楽しむ哲学

以上のように、一人旅で感じる寂しさや孤独感は、私たち人間が人間社会で生きている以上、当たり前に感じるものなのです。

同時に、人は一人旅の孤独を、捉え方次第で楽しい物に変えることもできます。

1. 一人旅で孤独を感じているあなたは今「自由」だ

孤独を感じているときは、それは裏を返せば

「周囲に寄りかからず、自分の価値判断を相手にゆだねない、自立した自分になろうとしてる」証拠です。

一人旅では、旅行の計画から実際の行動まで、全てを自分で自由に決めることができます。

誰を気にすることなく、行きたい場所へ行き、見たいものを見て、食べたいものを食べる。

そんな自由を楽しめるのは、一人旅ならではです。

最初は、その自由さに戸惑い、時に孤独を感じるかもしれません。

それは今ままであなたが、自分で何かを決めてこなかったために感じる孤独です。

何度も言うように、孤独な感情こそ自由を手にした証拠で、そのうち、その自由さを楽しめるようになったときこそ、自立心を得た証拠です。

それは同時に、「自分が本当に求めているもの」「本当の自分」を発見する、またとないチャンスでもあります。

2. 「自己成長」を求めると人は1人になる

人は困難な状況に直面し、それを乗り越えることで大きく成長します。

一人旅は、ある意味では試練の時です。

異文化の中で1人で問題を解決したり、言葉の壁を乗り越えて地元の人々とコミュニケーションを取ったりする経験は、

「自己肯定感」や「問題解決の力」を強くします。

孤独と向き合い、それを乗り越え、楽しむことで、以前よりも「強く、自立した人間」に成長するのです。

3. 今までの「人間関係」ををさら良くしたいなら一人旅

実は孤独を経験することで、既存の人間関係がより深まることがあります。

一人旅中に感じた、家族や友人のありがたさ、存在の大切さ改めて認識することで、感謝の気持ちが芽生えるためです。

また、自分の目と身体を通して、世界中の人々の様々な生き方や価値観を直に知ったことで、

人への共感性が高まり、今まで以上に相手を思いやることが出来ます。

また、自分の内的世界を覗くことで落ち着きが生まれ、人としての基本的能力が高まり、結果として人への思いやりが高まります。

これによって、今までは人間関係が上手くいかなかったとしても、旅から帰ってきたとき、人間関係が上手くいくようになることがあるのです。

一人旅の寂しさを楽しさに変える方法

ここではより実践的に、一人旅の寂しさを楽しさに変えるための、具体的な方法を紹介します。

1. 旅先で誰かと交流・何かに参加しよう

最も効果的な寂しさ対策は、旅先で人と交流することです。

朝市のお店のスタッフに、買い物をする際に何かを聞いてみたり、

現地のオプショナルツアーに参加し、同じ参加者に話しかけてみたりするのが、ハードルが低くいと思います。

バーで誰かに話しかけてみるのも楽しくて良いでしょう。

言葉に自信が無ければ、翻訳アプリを活用しましょう。

2. 海外を一人で旅行するなら？ホテルよりもホステルやゲストハウス

海外を一人で旅行するなら、やはりホステルやゲストハウスに泊まってみましょう。

ホテルに比べて、ホステルやゲストハウスは、他の旅行者との交流が生まれやすい環境です。

宿泊者同士で話をすることが、ホステルやゲストハウスでは当たり前のことになっています。

話をして良いと分かれば、話をする心理的ハードルも低くなります。

意気投合すれば一緒に食事に出かけたり、旅の情報交換したりしている中で、自然と寂しさを紛らわせることができます。

外国人も多いホステルですが、言葉が不安でしたら、旅先で日本人が多い宿もあるので調べてみると良いかもしれません。

ホステルについては、こちらの🔗ホステルとホテルの違いとは？ 旅行スタイルに合った宿泊先を選ぼう

で、詳しく解説しています。

3. 旅する理由を作ろう。観光・温泉、美術館、食事？

「なぜ旅をするのか」、その理由や目標を持ってみましょう。

はっきりと旅のテーマを持つと、旅の方向性が見え、孤独感が軽減されることもあります。

つまり旅の最中、目標を持って関心のあるテーマを巡っていると、その達成感や充実感が、孤独感を感じさせないのです。

例えば旅のテーマを、

「美術館巡りの旅」「街観光」「美味しい食事の旅」「温泉巡りの旅」「世界遺産巡りの旅」など、

旅の目的をが明確にすることで、「充実感」を得やすくなるのです。

目標を達成していくと自己肯定感も高まります。

4. 自分だけのひとり旅の楽しみを見つける

旅慣れてくると、自分なりの旅の楽しみを見つけることができます。

そうなってくると、もはや孤独を感じることはありません。

ある意味では、旅先でどうしたらいいのかわからないから、孤独を感じるのであって、

何をしたらいいのかを分かっているいる人は、孤独を感じる暇もないくらい、旅の最中でやることが多いのです。

そして、旅慣れている人ほど、孤独との向き合い方も知っていますし、

旅慣れている人こそ、人への共感性が高く、思いやりができる人が多いと筆者は感じます。

何事にも通じることですが、回数をこなすことが旅においても重要な事なのです。

こちらの🔗一人旅の楽しみ方8選：自分だけの旅の楽しみ方を見つけるコツ

で一人旅の楽しみ方について特集しています。

一人旅の寂しさを楽しさに変えよう

一人旅で感じる「寂しさ」は辛いものです。

しかし、この記事で見てきたように、一人旅で感じる寂しさはごく当たり前のものであり、次第に克服可能なものです。

積極的に地元の人々と交流してみたり、ホステルやゲストハウスに滞在して他の旅行者と会話してみたり、

旅のテーマを見つけたりすることで、一人旅はより楽しいものになっていきます。

「旅の孤独」を恐れずに、一歩踏み出してみましょう。