タイは東南アジアの人気観光地として知られていますが、初めて訪れる方にとって、治安面での不安は少なくありません。

 

この記事では、タイの治安状況について詳しく解説し、安全に旅行するためのアドバイスをお伝えしたいと思います。

 

全体的な治安状況

 

タイの治安は良好なイメージがありますが、犯罪発生率は日本と比べて9倍と言われています。

 

また、在タイ日本国大使館によると、全世界で邦人保護件数が3年連続で１位になるなど、日本人が犯罪被害に遭うことが多い国でもあります。

 

タイの報告では、軽犯罪から凶悪犯罪まで様々な事件が発生しています。

 

下記は2022年にタイで発生した、発生数の多い犯罪です。

 

・殺人・傷害致死・・ 3,381件

・強制性交等・・ 1,621件

・盗難事件・・ 24,851件

・銃器・爆発物・・ 112,993人

・薬物犯罪・・ 368,752人

 

タイでの凶悪事件の発生率は、日本と比べ非常に高い水準で推移しています。

 

日本人も被害を受けている

特にバンコク市内での日本人の被害は多く、詐欺、窃盗などが多数報告されています。

 

タイ国内、特にバンコクでは、日本人の犯罪被害が後を絶ちません。
　日本人が巻き込まれる被害の多数は窃盗、詐欺等であり、2023年には、東南アジアからの旅行者を装った女性（または女装した男性）が日本人男性に英語や片言の日本語で声をかけ、お金をだまし取る詐欺被害や、外国人男性（または男女）から「お金を見せてほしい」などと声を掛けられ、やりとりをしている間に現金、クレジットカードを抜き取られる窃盗被害が報告されています。
　また、タクシーや三輪タクシー（トゥクトゥク）等の運転手を含め、見知らぬ者から声を掛けられ、安易に話に乗ることによる詐欺等の被害が多発しています。見知らぬ者から声を掛けられた際には十分警戒し、軽々しく話に乗らないことが肝要です。
　この他、「交際していたタイ人に宝石をプレゼントしたが、その後、連絡が取れない」、「結婚を前提に交際していたタイ人に家や土地、車購入の資金を渡したが、逃げられた」等の男女間のトラブル事例も発生しています。

外務省：タイ安全対策基礎データ

 

 

交通事故が多い

 

タイではスピード超過などのルール軽視、車両の整備不良、運転技術の未熟などによる交通事故が相次いでいます。

 

特に観光の場合は、以下の点を注意する必要があります。

 

・バイクタクシーは利用しない

・公共交通機関を利用する

・海外旅行保険に加入する

・タイの交通事情を理解する

 

 

海外旅行保険は、EPOSカードの自動付帯の海外旅行保険が便利です。

 

年会費無料で、カードを取得し、旅行に持っていくだけで保険適用となるので、非常に便利です。

 

 

政治情勢

 

タイでは過去にクーデターや政治デモが発生しています。

 

2024年時点では比較的安定していますが、以下の点に注意が必要です。

 

・デモの集会は避ける

・政治的な話題は避ける
・王室に関する否定的な発言は絶対に慎む

 

近年、政府への抗議活動や政治運動に付随して暴動が発生しています。

 

また、爆弾を使用したテロ事件も起こっており、現在では落ち着いていますが、いつまた活発化するか分からないため注意が必要です。

 

 

また、タイ王室を侮辱する発言は外国人でも厳罰の対象になため、絶対に慎みましょう。

 

タイ国民の国王、王族に対する尊敬の念は深く、刑法上「国王、王妃、皇太子、摂政に対する罪」として刑罰(いわゆる不敬罪)が設けられており、例えば王室を侮辱した場合、3年以上15年以下の禁錮に処せられるおそれがあるほか、社会的にも厳しい批判を受けることにつながります。

外務省：タイ安全対策基礎データ

 

 

タイで犯罪に巻き込まれた場合の対応

犯罪に巻き込まれた場合、まず冷静に行動することが重要です。

 

下記の手順を参考に、適切な対応を心がけましょう。

 

下記は、タイで犯罪に巻き込まれた場合の対応です。

 

・身の安全を確保する

・警察に通報する、または警察に届け出る

・在タイ日本国大使館に連絡する

・スマホで証拠を保全する

・目撃者がいれば連絡先を聞く

・クレジットカードの停止手続きをする

・保険会社に連絡し、 必要書類や手続きについて指示を仰ぐ

・暴行や性犯罪の被害に遭った場合は病院を必ず受診する

 

各連絡先

下記の連絡先を控えておくことをお勧めします。

 

・バンコク警察・・・191番
・観光警察（タイ語、英語、日本人ボランティア有）・・・1155番

 

・在タイ日本大使館・・・02-207-8500
– 24時間対応の緊急電話：02-207-8502
– メールでの連絡も可能：consular@bt.mofa.go.jp

 

・バンコク病院（日本語対応可）・・・66-2310-3257

・外務省 領事サービスセンター・・・03-3580-3311

 

渡航前に必ずタイ国内の状況を調べる

タイ国内の状況は、外務省のHPや、駐日タイ王国大使館のHPで渡航前に確認するようにしましょう。

 

>在タイ日本国大使館

 

 

各地域の治安について

バンコク

 

タイの首都バンコクは、年間2,000万人以上の観光客が訪れる人気都市です。

 

全体的な治安は良好ですが、以下の点に注意が必要です。

 

 

・スリ・置き引き：混雑した場所や公共交通機関で多発
・タクシー・トゥクトゥクでのぼったくり：メーター使用を拒否する運転手に注意
・詐欺・ぼったくり：特に観光名所や繁華街で横行

 

 

タイのタクシーはぼったくり有名で、

 

特に日本人をはじめ、外国人と見るや高額な金額を請求するタクシーが多いのが現状です。

 

乗車時、タクシーの運転手がメーターを操作したか確認するようにし、操作していなければ乗車を止めるのが無難です。

 

 

トゥクトゥクはタイならではの乗り物ですが、メーターが無いため金額交渉せざるを得ず、

 

交渉に慣れていない人は高額な金額を請求される場合があるので、自信が無い場合は乗らないのが無難です。

 

 

パタヤ

パタヤはビーチリゾートとして有名ですが、夜の歓楽街でも知られています。

 

以下の点に注意しましょう。

 

・ドラッグ関連
・売春
・暴行事件

・ぼったくり

 

パタヤは観光客が多いため、彼らを標的にした犯罪が多発しています。

 

特にバーのぼったくりは誰でも経験しうるため、そういったお店には入らないことが安全です。

 

 

チェンマイ

 

古都チェンマイは比較的治安が良好で、日本人も多く滞在していますが、以下の点には気をつけましょう。

 

・トゥクトゥクの詐欺

・高額なツアーを売りつける

・ドラッグ関連

・ぼったくり

チェンマイは山岳地帯等のツアーの玄関地となるため、高額なツアーへの勧誘が相次いでいます。

 

ツアーの勧誘をされた場合は、受け答えしないようにしましょう。

 

 

南部国境地域

 

タイ南部のマレーシアとの国境付近は、政治的・宗教的緊張が高い地域であり、十分注意する必要があります。

 

・テロ
・誘拐

この地域では、分離独立を標榜するイスラム武装勢力による襲撃・爆発事件が頻発しており、2024年現在、外務省が危険レベル3、またはレベル2を発表しています。

 

訪問を検討している際は、必ず最新の情報を確認しましょう。

 

外務省：タイ 危険・スポット・広域情報

 

 

犯罪への対策

スリ・置き引き

 

主な発生場所

• ・繁華街（カオサン通りなど）
• ・公共交通機関（BTSスカイトレイン、地下鉄MRTなど）
• ・観光名所（ワットポーなど）

 

対策

・貴重品は体の前で持つ
・リュックは前に抱える
・混雑した場所では特に警戒する

 

 

詐欺

主な手口

・「あの店は閉まっている」と偽って、別の場所へ誘導する
・「安いツアー」と称してショップへ連れて行き、高額な商品を買わせる
・粗悪品を高額で売りつける

 

対策

・見知らぬ人の誘いには乗らない
・公式ガイドブックやホテルの情報を信頼する
・「太っ腹」な申し出には警戒する

 

 

強盗

発生場所

・人気のない路地
・夜の繁華街

・ビーチ

 

対策

・夜間の一人歩きを避ける
・多額の現金や貴重品を持ち歩かない
・明るく人通りの多い道を選ぶ

 

 

薬物関連

注意点

・タイの薬物法は非常に厳しい
・所持だけでも重罪
・「軽い薬物」という考え方は通用しない

 

対策

・どんな薬物も絶対に手を出さない
・見知らぬ人から食べ物を受け取らない

 

性犯罪

リスクが高い場所

・バーやクラブ
・マッサージ店
・ビーチ

 

対策

・深夜に一人で出歩かない
・飲み物から目を離さない
・知らない人についていかない

 

 

交通事故

主な原因

・飲酒運転
・スピード超過
・交通ルール無視

 

対策

・バイクのレンタルは避ける（特に運転経験が少ない場合）
・タクシーやグラブ（配車アプリ）を利用する
・歩行時も周囲に十分注意を払う

 

 

その他：出来る対策

貴重品管理

旅の最中は貴重品の管理に普段以上に気を付けましょう。

・パスポートはコピーを別に保管
・現金は必要最小限だけ持ち歩く
・クレジットカードは複数持参し、別々に保管

 

 

年会費無料で、カードを取得し、旅行に持っていくだけで保険適用となるため、非常に便利です。

 

 

 

 

緊急時の備え

海外旅行時には、必ず緊急時の備えをしていきましょう。

 

・旅行保険に加入する
・緊急連絡先（大使館、警察、病院）を控えておく

・カード会社の緊急連絡先を事前に控えておく
・家族や知り合いへの連絡先を控えておく

 

できれば、緊急連絡先の控えは、スマートフォンの写真だけでなく、紙にメモして持っていきましょう。

 

情報をスマートフォンに集約すると、紛失した場合連絡先が不明になるため、

 

最低でもスマートフォンと合わせて2か所は、連絡先を控えたほうがいいでしょう。

 

 

旅行者が知っておくべきタイの治安の状況：おわりに

タイは全体的に見れば比較的安全な国ですが、観光客を狙った犯罪や交通事故など、注意すべき点も少なくありません。

しかし、適切な準備と注意を払えば、多くのリスクを回避することができます。

 

この記事で紹介した情報を参考に、十分な対策を取った上で、タイを存分に楽しんでください。